
2023.1.21
新刊のお知らせ
新刊を4冊ご紹介します。
1冊目は『現代日本子ども読書史図鑑』です。
日本における子どもの本は、第二次大戦後どのように発展し、黄金期をむかえたのか。その後、どのように変化してきたのか。本書は、1950年から1999年までに刊行された創作・翻訳、知識読み物、物語絵本・知識絵本、評論などから選定した約600冊を収録。作品を年代ごとに並べ、等価値に解説を付して、20世紀後半の子どもの読書の歩みを振り返る。子どもたちが読んできた本を通じて、時代や社会をも概観できる一冊。
2冊目は「わたしたちの権利の物語」シリーズ(全6巻)の第1巻『難民と祖国』です。
全6巻を、Solaのスタッフ5人が訳しています!
すべての人が生まれながらにしてもつべき権利について、わかりやすく解説した絵本シリーズ(第1期3巻)。自由や平等を手にするために人びとはどのような行動をとり、どのように闘ってきたのか。各巻テーマにそって、歴史上の重要なできごとや進展のために力を尽くした人びとの活動をとりあげ、その長い闘いと、現在の状況までを伝えます。第1巻では、難民の権利。難民とはどういった人たちのことをいうのか、にはじまり、難民の人たちが新しい国で直面するさまざまな問題、難民の権利を向上させるための取り組み、国連を中心にした支援活動について、歴史にそってわかりやすく説明していきます。
3冊目は「未来への記憶」シリーズ第4弾の『あしたの動物園 熊本市動植物園のおはなし』です。
いたやさとし 画
2016年4月、熊本をおそった大地震。動物園も大きな被害をうけ、休園となってしまいます。そのとき飼育員のセイさんの頭にうかんできたのは、ある光景でした……。動物園の復活までの日々をひとりの飼育員の目をとおして描きながら、いまある命、そして未来の命を守る大切さを伝えます。「未来への記憶」シリーズ第4弾。
(出版社HPより引用)
4冊目は「動物あずかりや」シリーズ第3巻の『ふたごハムスター 友だちさがし』です。
保護動物のあずかりボランティアをしている少女カイタとその家族を描く「動物あずかりや」シリーズ。第3巻では、2ひきのドワーフハムスターがやってくる。あそんだりおもちゃをつくったり、ふたごのアップルとアニーに夢中のカイタ。2ひきにぴったりの一生の家を見つけてあげたいけど、ハムスターのひきとり手を見つけるのはなかなかむずかしいようで……。動物とのふれあいをとおして成長する少女のすがたを温かく描いた物語。
(出版社HPより引用)
2023.1.21
2023年が始まりました
昨年9月3日にSolaの代表取締役・檀上啓治が亡くなりました。
Solaの設立から支えてくださった方々、お気持ちを寄せてくださったみなさんに
深く御礼申しあげます。
啓治の遺志を継ぎ、これからも本作り空Solaを続けてまいります。
今後ともよろしくお願いいたします。
挨拶のカードに掲載した文章を以下転載いたします。
***
2022年9月3日17時17分、夫檀上啓治が66歳で亡くなりました。2016年11月4日
に脳出血で倒れ、救急搬送、急性期の病院に入院。翌年1月に療養病院に移り、
5年と10か月の闘病でした。
2017年7月から本作り空SolaWeb サイトのLEADER'S BLOG で折に触れ啓治のこ
とを綴ってきました。これからも機会があれば書いていきたいと思っています。
お時間のあるときに訪ねてください。
手元にある7冊の「連絡帳」(2017年2月16日~2022年9月3 日)は、啓治の病室に
置いていたものです。病棟のスタッフ(おもにリハビリ、たまにナースや介護)やお
見舞いに訪れた方々に半ば「強制的に」書いてもらいました。うち3冊は「病室に入
れなかった時期(2020年3月1日~)」のもの。
新型コロナウイルスの感染拡大による面会制限で、ほぼ毎日病室でいっしょに過ご
していた日常が一変しました。一日置きに音楽3 曲と日々の話題を録音したICレコー
ダを届け、月1回タブレットで顔を見る。一度だけ4階病棟のロビーに車椅子で出
てきた啓治とガラス越しに面会。2021年12月にようやく病棟にあがることができ、
15分問2回直接面会しました。
2022年8月18 日に容態が急変してから7 日間、主治医が面会を許可してくれ、一日
15分だけ会うことができました。
啓治の人生のさまざまなシーンで交流のあったみなさんにとって、彼はどんな存在
だったのでしょう。時には思い出し語ってください。
啓治との出会いは、26歳のときに取材で訪れた、江東区の自主夜間中学の場。
ほどなくして几帳面で読みやすい文字でびっしり書かれた手紙を受け取りました。
彼の文字が好きです。立て看やガリ切りにふさわしい文字。
本作りの仕事においても、大切なことを教えてもらいました。
シャイで無口で頑固で……
酒と猫とギターとカープと夜間中学とブルーグラスとMacと組版と本を愛した彼と、
これからはずっといっしょです。もう痛みもない。
「死」に関する本を作ったときに「死とは何か」を言葉にして考える機会がありました。
「死」は解放。生きることは「苦しい」けれど、ヒトは定められた生を受け入れて生
きる。時折瞬く「光」を糧に。
Solaで啓治と作った本たち、啓治が療養中に作った本たち、啓治の魂とこれから作
る本たち……。Solaがあるかぎり啓治との「仕事」は続いていきます。
どうぞこれからもSola に寄り添い見守りともに歩いてください。
心からありがとうございました。